誕生日のムーンロード

偶然目にとびこんできた1枚の画像「ムーンロード」

満月に照らされた海に一本の光の道ができる現象のこと。

その神秘に魅了され実際に見てみたいと思いました。


カレンダーで確認すると、ちょうど誕生日が満月の日。

こんな好機めったにない!迷いもなく探し始めました。

ムーンロードと誕生日を同時に迎えられる最高の場所を。



そこは、「天国にふさわしい館」。

当日はあいにくの雨でした。

到着した私を案内してくれた女性に「ここからムーンロードは見れますか?」と、私。



一瞬の間が空いたので「わかりませんよね?」と笑顔で切りかえしました。

すると「このお部屋はサンセットが一番きれいに見える場所なんです」と、笑顔を返してくれました。

そのお顔が健気だったので、「でも雨なんだけどなぁ・・・」という気持ちは一瞬で失せました。



雨と静かな風、夜の闇につつまれていく海。

シャンパンと大輪の花が咲いたドレスで迎えた55回目の誕生日。



人はどうしてあれほど苦しいと思ったことさえ、過ぎてしまえば忘れるられるのか。

そして、笑顔で思い返せるのだろう。

生まれては消えていくシャンパンの泡のように。



人間の目は、肉眼に映るものをとらえることしかできなかった。

けれど、意識が進化するにつれ目に見えないものの中に神秘という神性を発見できるように進化した。

それを発見したときの五感の楽しみを超えた感動。

それを味わいたくて闇の先に目を向けようとしたものの所詮、闇は闇。


それを貫き通す光がないと闇にのみ込まれることを知りました。



そんな経験を重ねてきたからこそわかる闇の先にある光。

光は、強ければ強いほど闇を貫くことができる。

闇に接し続けなければわからないことでした。




濃厚な夜の闇と一体化した海を見ようとする人は、辺りに誰もいません。

部屋の灯りを消して眠りについたけれど、眠れませんでした。

枕に頭をしずめながら外の方に視線を流すと、白木の扉から光が漏れているのがわかります。



街灯だと思いこんだ私は、目を閉じましたが一向に眠れません。

そうこうしているうちに4時、あっという間に5時になってしまいました。

「いっそのこと起きてしまおう!」

ベッドから飛び起きて白木の扉に手をかけたときのことです。



まだ真っ暗だろう。

そう思っていた脳裏にまったく違う世界が広がりました。

言葉を失うとはこういうことですね。

頭と現実がかみ合わず、心も体も反応できませんでした。



ちょうど目の前の海だけがキラキラ、キラキラ。

黄金色に輝きを放って何かに照らされているように見えました。

闇の中でそこだけが異次元のように光り輝いて。








夜の海は真っ暗、何も見えない、しかも雨、月は見えない。

そう思いこんでいました。

なぜ海が輝いているのか理解できませんでした。







急いで窓を開けて輝く海の先を見上げてみました。

するとそこには見えないだろうと思いこんでいた月が!

あたり一面を照らすように輝いていたのです。






窓から部屋の中に溢れていた街灯だと思っていた強い光。

それは月光でした。

碧と紺のミッドナイトブルーのなかで輝く月の光。









この碧の色を画像で表現できないのが残念です。

時を忘れ、パジャマのままずっと眺めていました。

かぐや姫もこうして月を見たのかなぁ。










日の出入りを過ぎて輝きを潜在させていく月。

太陽と交替でフェードアウトしていくムーンロードを見送りました。

まるで、天と地をつなぐ橋が天国に引いていくかのようでした。



闇の中にある光を信じられる人にしか見えない。

そのたったひとつの道が。





あのまま眠って朝を迎えていたらムーンロードは見れなかったでしょう。

誰かが眠らせないようにしてくれたのでしょうか。

素晴らしい誕生日の贈り物を、ありがとう。




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