ヨギーニは、7歳

 教室の最年少の生徒さんは7才の小学1年生の女の子、アツキちゃん。


アツキちゃんのヨーガのきっかけ・・・それは、小学校で起きた子どもどうしの小さなトラブルが原因でした。


ろうかを進んでいくアツキちゃんの前にいた男の子の背中を、どいてほしいばかりに後ろからドンと押してしまったそうです。


そのはずみで男の子は転んでしまい、運動会を休まなければならなくなりました。


言葉を使わない伝達手段それは、時に誤解を生み、自他ともに傷つくきっかけにもなります。大人の人間関係の中でも頻繁に起きていることです。


この一件を機に、アツキちゃんのお母さまはアツキちゃんの心を育む必要を感じたことを、ヨーガの個人指導にいらしたときに相談してくれました。

そうして、アツキちゃんのヨーガ個人指導が始まったのです。

アツキちゃんとお母さま、私の3人でヨーガを行います。

2回目のレッスンでのこと。

「アツキちゃん、ヨーガに出会えたから神さまにありがとうしますよ。神さまはどこにいるか知ってる?」

首をふるアツキちゃんに、「じゃあ、先生の中にいる神さま、教えてあげましょう」

そう言ってアツキちゃんの片手をとり、私の心臓に当てました。

「ほら?いらっしゃるでしょう?トクトクトクって、ノックしてない?」

自分の手に伝わってくる私の心臓の鼓動にアツキちゃんが気づいたときの表情、その瞬間の無垢なエネルギーといったら!

キラキラ、ラインストーンが舞ってるよう。

心臓の鼓動が神さまだと信じて疑わないアツキちゃん。

「じゃあ今度は自分のカラダにいる神さまを探してみましょうか?」

小さな手を胸に当て、森の中に幸せの鳥を探しに行くような好奇心の表情で鼓動を感じとろうとしていました。

自分自身の手を通して自分の中の神さまを知ったアツキちゃん。

小さな声で「いたぁ」と言いました。

今世でヨーガに出会う人は前世で準備をしてくると聖典に書かれています。

自分を通して神さまの存在を知りましたね。

本当は、さとりはこんなにシンプル。

頭があるから複雑になるだけ。

アツキちゃんは頭でヨーガをやっているのではなく素直な心でヨーガを行っているからなのでしょう。

「じゃあ次はお母さんの神さまを探してみましょう」

アツキちゃんは、お母さまの胸に耳を当ててトクトクトクを探しました。

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人を大切にしましょうと言葉で教えるより、体を使って、体の中に大切なものが皆んなに同じようにそなわっていることを知れば、自他ともに大切にする心が育ちます。

この心のヨーガは、疑わない子供の心だからできることかもしれません。

だからこそ、無垢な子どものうちに記憶に入れておいてあげれば、大人になって人生のつらさを体験したとき、記憶の袋からこのヨーガの記憶が出てきて、アツキちゃんを救ってくれるでしょう。

自分の中に神さまがいる。

そう信じたあのときの子どもの自分を思い出して。

自分の体を奮い立たせ、前に進んでいくことでしょう。

レッスンが終わって帰るときのアツキちゃんの元気な声と笑顔と言ったら、まるでディズニーランドのキャストのようです!

アツキちゃんいわく「ヨーガをやると頭の中に良いことしか浮かんでこない」のだそうです。

何度も「ありがとうございました!」と言っては、ばいばーいとドアで見送る私に手を振って帰っていきます。

そんなアツキちゃんを見ていると、頭が硬くなった大人の私の心がふわっとなって、感動で胸がいっぱいになって涙が出てきます。

心からのありがとうに触れて。

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