コロナ禍から新しい時代の意識へ

昨今の新型コロナウイルスの世界的な流行を受け、日本人のヨガ志向、それを支援するヨガインストラクターをとりまく環境は激変していると思います。

このコロナ危機は、公共施設やスポーツクラブ、ヨガスタジオにおいてのグループレッスンを中止させ、オンラインレッスンに移行させただけでなく、今後の健康に対する人々の意識にも変化をもたらすことが予想されます。




これまで対面で行なっていたレッスンをオンラインに早速切り替えた方も多いと思います。その中で、あえて消費者の視点に立ってみることで感じたことがあります。


・オンラインのグループレッスンに2〜3千円?!
・逆に500円や千円の低料金だと無料動画でいいやという心理になる。


オンラインの方が、対価によりシビアになるのではないかと感じました。つまり、内容とそこから得られる質を求める気持ちが高まるのです。







会場へわざわざ出向くことは一苦労に思われますが、実は参加者の心理的ニーズを満たす役割もしているのです。

自らの身体を運んでいくことを通して、参加者の探究心や知識欲を肉体レベルで消費できるからです。

また、会場にただよう参加者の熱気から特定の高揚感が生まれます。それに影響を受けることから満たされた感覚を得られることにもつながっています。

しかし、オンラインからそれらの経験を得ることはできません。




ヨガのお悩みでダントツに多いのが、「ヨガ教室(インストラクター)が沢山ありすぎてどれを選んでいいか、どれが自分に合っているかわからない」というものでした。これからこの悩みが倍増することが想定できます。


また、オンライン化はインストラクター側にも悩みをもたらす作用が潜在されています。

ヨガのレッスンDVDはすでにたくさん販売されています。

今日本にいるヨガインストラクターがオンラインでレッスンを売り出したら、さらに市場の競争は厳しくなります。




今、オンライン化されていくことで明確になっていく事実があるのではないでしょうか。

専門家とアマチュアのボーダーラインが明確になっていくということです。

ヨーガの世界では、「これからは本物が残っていく」と言われてきましたが、ウィルスがその幕開けの動機になることが考えられます。

私たちがわざわざ電車に乗ってレストランに行くのは、自分では出せない味を求めてのことです。ヨガも同じです。

どの業種においても専門家が求められていく傾向が強くなると思います。

なぜなら、消費者側の心理に立てばわかります。

消費者は、自分にない経験を購入するのです。

ヨガにおいて言えば、実際に購入しているのはヨガのポーズの指導ではなく、自分にはないヨーガの生き方の方なのです。

自分にはできないヨーガの生き方をしている人から経験を分けてもらうのです。

ヨーガの生き方をすることで得られる恩恵を、それをしている人からいただいて自分の人生に添えることで自分が変わることを望んでいるのです。









では、この消費者のニーズからこれからのヨガインストラクター像を考えてみましょう。

まず、ヨガのポーズを教えられることに資格を与えられていたレベルから、質を求められる時代に変化していくことが考えられます。

これからは質、中身、経験です。

ヨガインストラクターである前に、自分の生き方そのものがヨーガ、そう言える一人の人間になることではないでしょうか。

そうすると、ヨーガの生き方とは、そして、そこから達成される人間とはどういう人間か?この学びと実践が必要になります。




慎んで私事になりますが、

私自身が今できることは、コロナ禍の状況でもヨーガの仕事をこれまで通りに無理を突破して行おうとせず、あえて波に逆らうことをしないことをしています。

この状況下でヨーガの精神で存在すること、それをしています。

一見、何の社会の役にもたっていないようですが、どんな時でもヨーガを実践して、実践から得たものを伝えることが指導者の務めですから、これに徹しないとなりません。



多くの方が経験しているように私自身も仕事を失っている最中にいます。また、私の仕事は3密を避けられないばかりか呼吸を使います。実行不可能です。

その代わり、ヨーガ指導者として、ヨーガの生き方をこのコロナの中であえて実践することで何が得られるのか。

この体験を次の世界で分かち合うことです。

苦しみの中でヨーガを学び続けることで人はどう変わるのか、自らを実験台においています。


そして、また対面を通して皆様にお伝えできる未来を願っています。

皆様のご健勝を心よりお祈りいたします。

最後までご覧くださりありがとうございました。

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