自分自身と向き合うためのマナー




瞑想をはじめたころ誰もが体験する心の浄化のプロセス。

今まさにご体験中のある方からのご質問。

「瞑想中にどうしてもネガティブな思考にとらわれ襲われる。

怖くて不安で姿勢と呼吸に集中できないからどうしようと考えた結果、

『もう、ネガティブな、自分を責める、陥れるなどの思考や感情が湧いてくる、

そんなポンコツなダメダメな状態の自分を全部ひっくるめて、

俺って素晴らしい(笑) そんな俺でもOK ってことにしたら、

湧いてくる思考や感情どんどんこい!!』という感じになったけど、

それでOKなの?」


瞑想で意識を深めていく道中は、

浄化する必要のある古い自分と手をつないで進んで行くようなものです。

ですから目を閉じて自分に意識を向けていくほど

古い自分の顔が見えてきます。

この古い顔が出てくること自体が、

浄化であり心の解放が起きていることを自分で実感できる時です。


しかし自分を悩ませ苦しめていた自分を自分で知ることは、

イヤな気分がつきまといますよね。

そこでイヤな気分だからといって手を離してしまえば

せっかく顔を出してきたのにまた潜伏させてしまいます。



その顔は一生ついてくるわけではありません。

過去でもない未来でもない、

瞑想で今にいるあなたになった時。

その古い顔は今にいるあなたとは一緒にいられない。

だからあなたに優しくバイバイしてもらうために、

顔を出してきたのです。



そこでバイバイしてあげるためには

出てきた顔とは違う自分の体制をとること。

それが自分と向き合うマナー。

姿勢と呼吸です。


今ここにいる自分でいるには

今の姿勢と呼吸に集中していこと。

そうすると、

自然と雲が流れて目の前から消えているように

自分をイヤな気分にさせる古い自分が、

意識からスッと消える一瞬があります。

その瞬間の感覚や表現は人それぞれです。

しかし完全に自分の意識から消えるということではありません。

それでは記憶喪失です。

意識の片隅に古い自分を感じることができますが

なぜか大丈夫な気持ちになる。

なぜなら、

今にいるあなたの姿勢と呼吸は非常にパワフルだからです。

ご質問者のような「どんとこい!」という気持ちにもなれるでしょう。

気にならなくなるのです。

同じ部屋にいても気にならない人がいるのと同じことです。


「自分と向き合いたい」と言う人は大勢いらっしゃいます。

しかし日常と同じ体制で目を閉じて自分の思考を見ようとします。

それでは見る側に立っていない(見る準備が整っていない)ので、

自分の思考に嫌気がさしてしまい見るのをやめてしまいます。

そうして古い自分を思考の中に定住させてしまうのです。


自分と向き合うには体制があります。

姿勢と呼吸です。

それをきちんと整えてから向き合いましょう。

今日まで生き抜いてくれた自分(先輩)と向き合うマナーです。



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