授かった心と体を大切に生きる



青森から、「天空の松」の画像が届きました。

樹は、人間に心と体をどう生きるか無言で教えてくれているように思います。



私は、20代の頃から、誘われるように青森の十和田湖に通い続けてきました。

正確に言えば、子供のころから。



私は、秋田県で母のお腹に入りました。

ですから、本来は北国で生きるはずの魂だったのでしょう。

そのはずが、私は千葉県で産まれ育ちました。



幼稚園のころから、毎年冬と夏に帰省する母と一緒に秋田へ行きました。

そして、十和田湖へも毎年行きました。

十和田湖だけは、47歳になった今も続いています。



26歳の私は、フィットネスインストラクターとして油ののってきたころで、休む間も惜しんで活動していました。

一方で、私の心身は悲鳴をあげ、自律神経失調症と診断されていました。

それでも私は、少しばかり売れっ子になったことに有頂天になり、自分の心身を省みることなどしなかったのです。



ある夏のひか、ふとしたことでオフになった時がありました。

急に休みになり、私は「何しよう」

そうだ!十和田湖へ行こう!

仕事が終わって、そのまま夜行バスに乗り青森まで行きました。



早朝に弘前に着き、そこからまたバスを乗り換え向かった先は、子供のころから通い続けた十和田湖でした。

14キロ続く奥入瀬渓流を、黙々と一人で歩きました。

終点まで歩き着いたそこで、私は大きな岩の上に座ってかき氷を食べました。

岩から見上げた子供のころから触れてきた自然の神々。

そこにいるはず。

なのに、私は「感じれない」…

自分の心と体が、神聖な自然の力をはじいてしまっているように感じました。



自分はこんなにも自然と通わなくなってしまったのかと、愕然としました。

子供のころのピュアな心の代わりにそこにいたのは、

自分で何でもできていると過信している傲慢な私でした。




それは、仕事がうまくいかないことで落ち込むよりもショックでした。

私は、自分の心がコンクリートのようになってしまったことにやっと気づき、岩の上で泣きました。

仕事で成功しても、皆んなにチヤホヤされても、得られるものには限界があることを知りました。

それから3年後、私はフィットネス業界を辞めました。




どんなに健康そうでも、日常がうまくいってそうでも、それは偽りなのです。

自然と通じ合わない心、目には見えない力への謙虚さや感謝のない人間では、真の健康も幸せもないとあの岩の上でさとったからです。



フィットネス業界は、心より肉体です。

見た目の良さ、痩せる、ひきしまった筋肉という欲を満たすところです。




本当の健康とは、お粗末にしてきた心と体への反省があってはじめて取り戻していけるものです。

私は、そうしたことを人々に伝えていく道を選びました。

これまでのフィットネス業界とは、間逆の道でした。




心と体は、自然界からの授かりものです。

見せびらかすものでも、自分のものでもないのです。

本来心と体は、私たち人間の想いを叶える道具です。

そのようなありがたい道具であることを忘れ、現代人の私たちは心と体を機械のように扱ってしまっているのです。




今ある状態から明るみの方へ好転させていきたいと願う人は、

これまでの心と体の扱い方に反省と謝りの気持ちを送って下さい。

誰かに何かをしてもらうのではなく、こればかりは自分自身でして下さい。

そうでなければ、心と体には響かないからです。




心と体に気持ちを向けられていないまま、セラピーやヒーリングに走っている人が少なくないのです。

セラピーやヒーリングが功を成すのは、心と体の主である本人が、心と体を愛してあげる謙虚さがあってのことです。




知識やテクニックも、心が入ることではじめて人を救う力となり、生きた道具になります。

そこに真心がこもっていなければ、ただの物質なのです。



私たち現代人は、セラピーやヒーリングというテクニックに偏りすぎたようです。

テクニックを得ることが、人を癒してあげる自分になるという見栄になっていませんか?

今こそ、自分の心を入れ替えるという原点に返る時ではないかと思っています。

心が変わっていなければ、あやまちは必ず復元されてしまいます。




心を入れ替える方法は、自分で自分の心を変えていく努力です。

この努力が、天に謙虚さを伝えることになります。



心を入れ替えていく過程では、上手くいかない時もあるでしょう。

それでも、自分で作り上げてきた心です。

いさぎよく受け入れ、自分の心に屈しないで努力する人のもとに、見えない力が働くのです。



お金があれば、セラピーやヒーリングは受けられます。

ですが、すぐにそこに走らないで、まず自分の心と体を見て下さい。

子供の顔も見ないで病院に手を引っ張っていくだけの親にならないように。

まず、見てあげて下さい。



目の前に答えがあるのに、それを見ずして「どうしたらいいでしょうか?」と、誰かに依存する人が多いのです。

自分の心と体をじっくり観察せずに、対処療法的なやり方だけを求めてばかりいると失敗します。

まず、自分の心と体に反省しなければ。



20代のフィットネスインストラクターのころの私は、体に頑張らせることを教えていました。

今は、反省の心と、自分自身の心と体に合掌することを教えて差し上げたいと思っています。



たとえ困難な人生の流れにいても、まわりに感謝できる心があり、授かった心と体を尊ぶことのできる人は、完治してぬか喜びしている人より人間的に幸せ人です。



あなた自身の自分の心と体に対する誠実さが、何よりのヒーリングになることを、どうか忘れないで下さい。



このブログの人気の投稿

オープンクラスのお知らせ

ヨガインストラクターに欠かせない指導技術

ヨーガ・スートラ受講者Sさんのご感想