聖なるハーブと暮らして
ホーリーバジルが我が家で育つようになって、私は、何か自分をとりまく流れに変化を感じています。
特別ハーブに精通しているわけではない。
でも、私にはそれが逆に好都合。
頭から入らないから。
頼りになるのは、臭覚をふくむ五感。
そして、舌で味わった時の体内から気体にまで響く葉のエキス。
母がゴミ箱に入れた半分枯れて、半分まだ生きてるハーブを、私は取り出して食べちゃう。
ハーブの仕事を手伝うの。
ハーブは、人間を支え助けてくれる。
その役目を果たしたいって言ってるよ。
「ありがとうね」と言って口に入れると、一瞬にして体内中にハーブの香りとエキスがかけめぐる。
猫のドラが死んでしまってから、誰と語り合おうか、相手がいなくなったと思っていたけれど、ハーブがいた。
彼女たちは、私のことを「ムスメ」と呼ぶ。
あ、ムスメ、帰ってきた。
って、植物たちにいっせいに見つめられるのが、今ではたまらない。