個人指導を終えたMさんの生き方のヨーガ






なぜヨーガに惹かれるのだろう?

ヨーガとは本来どのようなものなのだろう?


ヨーガはエクササイズであり、

アーサナがあって初めて実現すると信じている方は多いと思います。

私もそうでした。 

より多くのアーサナを覚え、その体勢を長くキ ープすることで

身体を鍛えていくものだと思っていました。 

一瞬は心に静けさが訪れても、ヨーガのクラスが終わり

一歩外に出れば仕事や家族、人間関係について悩み、

私は何のためにヨーガをやっているのだろう、と自問していました。 


Juna 先生のグループレッスンを初めて受講し、

最後に静かに目を閉じ呼吸をしている時、

心から沸き起こってくるのは感謝でした。 

今までのヨーガでは経験したことがなかった心の内からの尊い感覚でした。 


私に何が起きているのだろう・・。

 「それが本来の人間の姿なのですよ」先生からの言葉に、

名前や職業、経歴や性格で特定できない

私の内に在る「存在」について分かっていない事に気づきました。 

そんな時、Juna先生が個人指導をされていることを知り、

一か月に一度のペースで一年間 受講を決めました。 


始まる前のカウンセリングで、

どのようにレッスンを進めていくかお話しをする機会がありました。 

その時先生がおっしゃったことが、

「私の話を盲信しないでください。そして疑わないでください」。

この言葉を聞いた瞬間、

先生から答えをほしがっている自分に気づきハッとしました。


 今の時代はネットや書籍から情報はいくらでも手に入れることができ、

考えることなしに それが全てのように感じてしまいます。

 「本来の自分」という存在を見失っていると、

答えを外側に求めてしまいます。 

しかし、人それぞれ姿や性格が違うように、

それをどのように捉えていくのか、

人それぞれの答えがあるように思ったのです。 

どんな素晴らしい言葉も捉え方によっては、

自分に都合の良いように解釈していたり、

その言葉自体に満足したりしてしまいます。

 話を聞く態度を改め、教わったことを咀嚼し、

「疑わない」という素直な心で自己と向き合おうと心に決めました。


ヨーガを続けていく中でとても役に立ったことが「書く」ことです。 

始めに、Juna 先生が用意してくださっていた質問でこのようなものがありました。 

・講座を受講する目的

・くじけそうになった時の自分への言葉

・講座の最終日を迎える未来の私へ



 私は今まで「こうなりたい」と思っても、

そうなった時の自分自身は、例えば どのような生 活をしているのか、

どのような態度で人と接しているのかなど

考えることはありませんでした。 

講座を終える頃の自分はどんな人物なのか、

どんな態度で人と接し自分を捉えているのかノートに書きました。 

生活習慣を見直し、できることから実行していきました。 

その他、日々ヨーガをしていて気づいたことや身体の感覚を記していきました。 


ヨーガを続けていると、身体の反応に気づきやすくなり、

その瞬間に考えている自分に気づいたりしていきます。 

例えば、職場で苦手だと感じていることに取り掛かる時、

今まではただ苦手だ・・ と思っていたところが、

 「呼吸が浅くなってきているな。肩に力が入ってきた。

早く終わらせたくて焦っている。仕事の事より時間を気にしている」など、

客観的に見るようになりました。 

そして、後で「早く終わらせることを優先するのはなぜだろう」と問い かけていきます。


もし答えがでなくても、ノートに書くなどして、

どういう考えにとらわ れているのか静かに自分に尋ねました。 



ストレスをなくすことは難しいかもしれません。

しかし、そのストレスと感じている物事 にどう対応していくか、

静かな時間にアーサナをしていくことで、

日常をよりよく生きる習慣と知恵が身につくようになりました。 

日々行うアーサナは数をたくさんこなすのではなく、

1つか2つのアーサナをじっくり丁 寧に行うよう心がけました。

 身体の感覚に集中し、様々な考えが浮かんでも放っておき、

過去も未来もその間は脇に置き、たんたんと続けていきました。 

仕事や日々のことに追われて、

時間を確保するのが難しいかなと感じたこともありました が、

最初に記したノートを見て、

ヨーガを始めた自分に誠実にいたいという思いが背中を押してくれていました。 

食事やお風呂に入る時間があるように、

日常に自分と向き合う時間をとると、

心や身体がそれを歓迎してくれているように感じました。 


個人指導のレッスンでは前半にアーサナの実習、

後半にヨーガ哲学を学ぶ座学があるのですが、

先生は個人に合わせて言葉を選び、理解に導いてくださいます。 

時にはインドの楽器やマントラにも触れる機会をくださり、

五感からくるものに対する心の反応を体感することができました。 

座学でお話を聞いている時、

最初はたくさんノートに書きたい気持ちがあったのですが、

書いているうちに、先生の話していることを

「書くことに集中」してしまい、

聞いたことをこぼしている気がしてきました。 

それからは、書く手を止め、全身で話しを聞くイメージで聞いていました。 



レッスン後は、静かに帰宅することでその間に学んだことを反芻し、

後でノー トに書くことで整理することができたように思います。 


個人指導で私が楽しんでいたことの一つに、

その時のレッスンを終えて

次回のレッスンまでのテーマを決めることです。 


例えばこの一か月は、

身体の肩甲骨を意識して過ごそうということや

自分の身体の感覚と思考を意識しよう、など

テーマを決めて気づいたことをノートに書きながら過ごします。 

そうすることで、

一か月の自分の変化を知ることができ励みになりました。 


関わる人たちや自分自身にかける言葉の大切さにも気づき、

言葉を改めるきっかけにもなりました。


身体が緊張し、無理をしているとき、

それをさせている存在、信念、言葉があります。 

そ れを、もう一度明るいところに出してみて、

それは自分が選んだことなのか、

誰の言葉を信じているのか、

それは役に立っているのか自問していきます。 

責めることなく思いやりを持って尋ねてみます。 



先生のもとでヨーガを始めて、もうすぐ一年が経とうとするとき、

一つのアーサナを終えヨガマットの上にあおむけになっていると、

スーッと呼吸が入ってきて、

感謝の気持ちに 包まれました。 


穏やかさがここにあったんだな・・・静かな平穏な気持ちでした。 


ヨーガは一人一人に合った言葉や必要な気づきを、

必要な時に与えてくれるように思います。

そして外側に向いていた目を内側に向けていくことで、

内側だけでなく自然と外側に変化 が現れていきます。



ヨーガはアーサナ以上のもの。 

 自己を知るための方法。 

 そして知恵を養う道。 

 一進一退することも道の途上で起こっていること。 


 自己を深く優しく見つめ、自然にゆだね歩んでいきたいです。




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