死とヨーガ
ヨーガといえばエクササイズや美容として親しまれていますが、
本来は20日朝刊記事の「デスカフェ」のように、
死の意味にあなた自身がたどり着いていく死生学の道。
そこになぜ体操が含まれているかと言うと、
自分の身体を通して肉体という宇宙を学び、
呼吸という実践を通して生命の威力に畏敬の念を芽生えさせながら
死生観に目覚めさせていくのです。
ですからヨーガは、
死、生まれる理由、生きる意味、苦しむ理由、宇宙の創生など、
人間の疑問を智慧から学んでいくことなのです。
死の意味がわからない、
生の意味づけがよく見えないという状況で
スピリチュアルなケアは不可能ではないでしょうか。
このような状況に、
智慧から学ぶ機会を提供するべく開催されてきたのが、
弘前の看護師工藤うみさん主宰のスピリチュアルレッスンでした。
医療や介護現場で働く方々に智慧から死生学を学び、
苦しみの声に接することのできる人材になってほしいという願いから始まりました。
「価値観が多様化する現代では、宗教者や医療者などの専門家が死の問題を一手に引き受けるのは難しい。むしろ様々な人との対話を通じて学ぶアプローチが有効です」
死を議論しても今この生の中で経験していなければ、
個人の想像や心情、
信念を語り合うまでにとどまり、
その意味を知るまでには至らないままです。
「欧米のカフェでは安楽死問題などをテーマに、とことん死を直視させる」
死をこの生では未経験である我が身を認め、
わからない者どうしが語り合うことから先へ進み、
死を創造された域からきちんと学ぶことではないかと考えます。