がん終末期の患者様との関わりに苦しんできたからこそのヨーガ

弘前公園の桜の木


3月で3回目を迎える対人援助職のためのヨーガ教室弘前は、

対人援助職の人々が生き生きと働くにはどのようなことが必要なのか。

こうした考えから発足しました。

今日のブログは、

発起人となった弘前市在住の看護師

工藤うみさんのメッセージをご紹介いたします。



うみさんと私との出会いは今から約9年前。

インドから帰国後に開催していた港区のお寺のヨーガ教室でした。

初めてメールをいただいた時に記入されてあったご住所に驚きました。

青森県!?

当時幼稚園生だった2人のお嬢様を連れて、

夜行列車に乗ってヨーガを学びに来られていたうみさん。

その真摯なお姿を私は忘れることはありませんでした。

夢を叶えていく間にある時間や距離

数々の物理的な障害。

それらに心が折れて初心を失ってしまう人は大勢います。

しかし乗り越える人もいます。



ヨーガを学び自らも取り組むことに誠実な方の瞳の輝き。

明確な目的意識のある人は、

話を聞く姿勢が違うことを教えてくれたのもうみさんでした。



対人支援職のストレスも多大にあるであろう中、

ご家庭と子育てとの両立に加えてヨーガの学びを決意されたことは

うみさんの背景にこのような理由があったからこその

エネルギーであったのだろうと今拝察しております。

いつも物腰がやわらかく笑顔でいられることは、

芯のある強さの証しであることも教えてくれました。

今ここに看護師工藤うみさんとの出会いに感謝を込めて・・・







私がヨーガに出会ったのは、

がん終末期の患者様との関わりに苦しんでいた時でした。

死への恐怖や怒りを様々な形で表出される患者様を

為すすべもなく見つめながら、

人間とは一体何なのか、

人間はなぜ生まれなぜ死んでいくのかについて今本気で学ばないと、

自分が壊れてしまうと考えはじめた時でした。

ヨーガ哲学は私のそんな疑問に少しずつ答えをくれました。

同時にヨーガの身体操法や呼吸法、

瞑想を続けていくことで、

心身のコンディションが自然に整い、

哲学の理解も促してくれました。

また、心身が安定していることは、

仕事だけだなく私の生き方全体に良い影響を与えてくれました。

そして再び看取りの現場に立った時、

以前の自分とは全く違う意識の自分がそこにいました。

援助者が穏やかであることが何よりの支援であることにも気づきました。

このような経験から、

老いや病いや死の現場にいる援助職にヨーガを、と考えるようになり、

このたび「対人援助職のためのヨーガ」を

畠山桂子先生のご指導のもとにスタートできることになりました。

ひとりでも多くの対人援助職にこのヨーガが届き、

穏やかなケアの現場が増えていくことを心から願います。

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