不安になるから身につけたい!瞑想という生きる力




私たちがヨーガのレッスンに取り組むのは、

何も世俗を捨てて山にこもって修行するためではなく

日常のほとんどが頭の声でいっぱいだからです。



中には頭の声がさほど気にならないという人もいます。

「えっ!私はこんなに気になるのにナゼ?!」

私の頭の中だけがネガティブなんじゃないの?

心配になりますよね。



それはどういうことかと言うと、

自分の体に誰か他の人が入っても全く気づかずに、

その人に突き動かされているのと似ています。

ですからヨーガのプラクティスの目的は、

頭の声と自分の意識をしっかり区別できるようになることを目指しています。




ヨーガレッスンのメインテーマは瞑想です。

瞑想は心を一点に集中させることから始めていきます。

とは言え、

好きなようにどこにでも心を留めて良いわけではありません。

テレビを眺めることだけに集中するとか、

好きな食べ物や好きな人のことを考えることに集中するとか。

これも一種の心の集中ですが、

これでは日常の心の使い方と変わりませんね。

日常的な心ではすぐに想像が始まり、

やがてはネガティブな方へ傾倒してしまいます。



ヨーガにおける心の一点集中は、

繊細なものに意識を向けることです。

呼吸のリズムや心臓の鼓動、鼻から出入りする空気。

これらは日常的な粗い心の調子では

意識することに困難を感じます。

気持ちを向けてもすぐに飽きてしまったことがありませんか?

これは日常の心からヨーガの心に切り替わっていないうちに

一点集中を始めてしまうからです。



ですから体を使って(動かして)、

心を繊細なものに向かえるように調整していくのです。

この時の体の使い方は、

もっと動いて汗をかこう!とか

無理をして歯を食いしばってやるとか、

闇雲に次から次にエクササイズしていくやり方とは異なります。




心を一点集中に向けて準備していくための体操なので、

・自分の呼吸に集中する

・ポーズの刺激(心地よい)に集中する

・ポーズの刺激とポーズを外した後の間をとる

・上の空ではなく意識して行う

難しいポーズに挑戦し始めると、

この4つは守れなくなりますね。

「頑張る」という行為はヨーガのレッスンでは厳禁なのです。

ですから難しいポーズに周りを気にしてチャレンジするより

あれこれ色んなポーズをするよりも、

いかにこのルールに沿って進めていけるかの方が大事です。

この原則を守って進めていくと、

心が一点集中に向かいやすくなります。



さて、上記のようなヨーガのレッスンを通して整えられた心で、

整えられた姿勢と一緒に目を閉じていきます。

それから心をどれか一点に添えましょう。

呼吸のリズム、心臓の鼓動、鼻から出入りする空気。



始めた辺りは思考に気が持っていかれることに気づくでしょう。

ここで自分にダメ出ししてしまうことはナンセンス!

それも通過点です。

どうか慌てないで下さい。

一点集中からズレたら本道に戻す。

この繰り返しも瞑想に至るプロセスなのです。

安心して下さいね。



人は誰もが頭の声を超えたその奥に

安らぎと知性、力を秘めています。

瞑想はそのパワーを引き出すツールです。

パワーとは特別な修行者だけのものではなく、

互いに支え合う一般社会に生きる私たちにこそ必要なものと考えます。



パワーは大袈裟なものでも他人にひけらかすものでもなく、

その力が強く純粋であればあるほど

静けさと品格を伴っているのではないでしょうか?


瞑想はユウウツや不安を癒してくれます。

病気や慢性的な痛みを解放する力も持っています。

ネガティブな重たい気怠さがポジティブへと切り替わり、

今やるべき物事への集中力を高めてくれます。



心を浄化して穏やかな生き方に導いてくれる人生を変えるもの。

そう表現しても過言ではないことを、

ガンから生還した実母とともに証明いたします。

2018年2月11日 畠山桂子


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