ヨガインストラクターという夢を見つけた人

あと少しで迎える4月。

今春、私は一人の女性を

ヨーガの先生まで導いていきます。



彼女が

私のもとでその道を決心して下さる前、

ヨガ業界の冊子やサイトをご紹介し、

よく見て頂くようにお伝えしました。



なぜなら、

「資格社会」と言われる日本。

多くの方が資格を取得できるかどうか?

この点からスクール選びを始めます。

ヨガ業界では、

保有者のレベルはさておきアメリカの資格が主流です。

残念ながら私のような個人の教室では、

資格を差し上げることは不可能です。

そればかりでなく、

有名なスクールでも講師でもありません。

習う側の生徒の心理としては、

有名なスクールや講師から習いたいのは当然のことです。

これからこの業界を生きていく彼女のことを思えば、

皆と同じ道で同じ資格を持って、

同じ技術を学ぶ。

その「皆と同じ」ことに安心感を抱くタイプであれば、

私のもとでは

後々後悔させてしまうであろうことも考慮して、

私のもとで学ぶリスクもお伝えし、

現在のヨガ業界の動向もよくご説明しました。





さて、ここまでを聞くと

ヨーガの先生を目指すのだから、

柔軟性があってポーズもそれはよくできるのでは?

そう思われるかもしれません。

しかし、

彼女のスタート地点は

まったくその逆です。



昨冬、

初めて私のアトリエを訪れて下さった彼女。

まだまだ今よりうんと

ご自身のお体のことに悩んでおられました。

それも、今始まったお悩みではないのです。

彼女は10代から、

様々な症状や病気に辛い思いをして今日まで生きてこられました。

救急車で運ばれたり、

手術を経験したり。

友達と一緒に楽しめない。

外出すること一つにも、

恐怖を抱えて過ごしてこられた20代。

それでも彼女は、

自身のお体の健康を取りもどすことを

決して諦めませんでした。




初めてお会いした時、

あのドアに入って来て下さった彼女をひと目見て

これから開花していく意志の強さと芯の強さが

彼女の内側に潜在されていることを

私は見抜きました。

そして、

この方はきっと

自分の道をつかんでいくだろうということも・・・




私は、

私のもとでヨーガの先生になりたいと訪ねて来て下さった方には、

必ず長い時間をかけて

相手のお考えを拝聴します。

はいそうですか、と

すぐに養成するわけにはいかないのです。




どうしてヨーガの先生になりたいのか?

どういうヨーガの先生になりたいのか?

どういうところで教えたいのか?

生徒の対象は?

あなたの指導するヨーガで相手にどうなってもらいたいのか?

あなた自身ヨーガで何を得たのか?

これまでどう生きてこられたか?



つまり、

ヨガスタジオでちょこっとレッスンを齧って

「気持ち良かったから皆に伝えたい」くらいの浮かれた気持ちでは

まだご本人の内側が熟しておらず

早いのです。

その場合は、

もう少しご自身でヨーガの経験を積まれ

ヨーガの壁を経験すること。

ヨーガは気持ちいい、

良い面ばかりではないからです。


そうした一連の経験をされてから、

先生になる道を始められてはどうかとご提案します。



今すぐなりたい気持ちはあっても、

ヨーガは学ぶ側の力が必要なのです。

指導する側の力だけでは成立しないのです。

学ぶ生徒側の受け入れる理解力も必要な学問です。

それがないと、

一方的な学びの場になりやすいのです。

ですから現代は、

資格は取ってレッスンをしているけれど、

ヨーガのことがよくわからないままの方が少なくない様です。


心にまで効かせられる

感動を与えるヨーガレッスンが提供できるまでには

やはり、

ある一定の人生経験が必要です。

そうした意味では、

ヨーガの先生を目指すのは40代からでも十分です。

20代では早すぎたかもしれません。





彼女は、

そうした私の質問にもきちんと自分の言葉で

気持ちと意志を伝えることができました。

人はよく、「私はまだまだ弱いです」と言葉にします。

しかし彼女は、

「先生、私やる時はやります。やると決めたら、強いです」

ヨーガの先生という仕事は、

相手の心が絡む仕事です。

ですから、

ご自分の意志をきちんと言葉にできる成熟さが欠かせません。





これまでの間に、

これからの道に耐えていかれる精神力を

お体の辛さと向き合われたことと引きかえに

きちんと養われてこられた方たのだろうと思いました。




これまでの事も含め、

ありのままの自分を認めることが出来ると

それが力になる。

私のもとでヨーガの先生になる

固い決意をされた彼女のお言葉が

証明してくれました。



「今、つらく長いときを経て、

これだったんだと、

厳かに落ち着いた気持ちでいます。

今までのように形から入ってない分、

本物だと確信しています。

かといって今までのように

自分を追いつめる(頑張りすぎる)気もしません。

本当に自然です。不思議です!」




これから一年かけて、

彼女と私の二人三脚の道が始まります。

その道は、

彼女が神様から預かってきた種を

この地上に二人で咲かせること。

華やかな大輪を咲かせましょう。

見る人みんながその花に癒されていくような。

誰も真似できない

貴女だけのヨーガの先生の姿を確立しなさいね。




彼女の「本当の自分」になるまで

種の殻を破り、

地上に芽を出し、

太陽の方に向かって伸びていく

その方向を私は示す。

知識というお水を与え

枝葉という技術を与え

智慧という肥料を与え

魂から輝いて生きて

周りを内なる輝きで照らしていく

そんなヨーガの先生になるまでの間

大切に大切にお育てしていこうと思います。





紙一枚の資格に

付加価値をつけて魅せるような存在になるより、

資格に勝る魂力のある先生になってほしいと思います。

それをはじめから目指していけば、

必ず息の長い指導者になります。

そのために、

資格に勝る確かな技術と知識を

貴女のものに努力でなさることです。

貴女の存在そのものが

ヨーガの先生という生きた資格になればいい。




私は、生徒に資格はあげられないけれど

人が振り返ってまで見るような魅力を放つ

神様に応援してもらえるような

感謝にあふれた

ヨーガの先生に育てましょう。










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