身体を忘れた現代の子どもたちのための”子供のヨーガ”

この頃は子供やご夫婦の問題など

家族に関するご相談を受ける機会が多くなりました。

ヨーガ教室はヨーガレッスンだけではなくて、

生活にまつわる様々なお悩みと向き合う場所の役目も果たします。

それはヨーガが心と身体、生き方に関する知恵に支えられているからでしょう。


私自身には子供はおりませんが、

ヨーガを指導するということは子育てと似ている面があるなぁと思うことがあります。

母性と父性の両方を必要とするからです。




ヨーガは大人だけのものではありません。

なぜなら子供時代の容赦ない弱肉強食の世界を生き抜かなければならない現代の子供です。

子供の心と身体も抑圧された感情でいっぱいなのです。

大人にはストレスが溜まった時の様々な解消法(誤った)がありますが、

子供にはなかなかないでしょう。

親への八つ当たりぐらいでしょうか?




先日、13歳の息子さんの子育てにお悩み中の生徒さんに、

「今度よろしければお子さんを連れて一緒にヨーガに来て下さい」とお伝えしました。

当方には子供専用のクラスはありません。

ですから大人の中で一緒にヨーガをして頂きます。




ヨーガの時間の中には大人の都合や世間体、

建前が存在しない空間です。

大人の顔色を伺い空気を読む子供に、

ヨーガによって素直な自然体になった大人を見てもらいたいと思います。

子供は都合で物事を動かす大人の心に失望しているのです。

そうした都合でものを話す大人ではない、

純粋な大人の一面に接することにより

自らの子供らしさと純粋さを開花し、

生命の尊さに子供ながらに気づいてくるようになります。

そうした態度を言葉で理想論のように大人が語っても子供は聞きません。

大人が本気でその態度になっていれば子供は気づくでしょう。

子供には本来その力があるからです。




ゲーム三昧の現代の子供には自分の身体を感じるという訓練が必要です。

将来大人になって自分の気持ちをきちんと言葉で表せるようになるためです。

大人になっても「あんな感じこんな感じ」という表現しかできない人は大勢います。

自分のことをきちんと言葉で説明できないと、

本当に支えてくれる他者に出会う機会を逃します。

私にもし子供がいたら何より大事に教えたいことです。

自分のことを感じて適切な言葉で表現する能力を。

それが基礎力となって大人に必要な能力が開花されるからです。

それは適切な感情表現力、思考力、知性、創造力です。









ヨーガは子供を叱りながら躾けるのではなく、

自然に必要な能力が身につく子供にとっては優しい成長のためのレッスンです。

集中力、忍耐力、落ち着きなどが自然と養われていきます。

大人が出来ていなくて子供にだけに「〜しなさい!」と強制することはできません。

大人も一緒にヨーガで自分を訓練します。

そしてその姿を全て見せます。









私の姪っ子ちゃんは私がヨーガの先生であることを知っていて、

私がレッスンを行っている時は

怪獣のように激しい彼女が夜になって閉じた蓮の花のように静かになります。

何も言わなくても子供はちゃんと大人の気持ちをわかっているのですね。

それもそのはず、

神様から一番近いところから来た人だもの。

大人は遠のいちゃったけど。








子どもは学んだことを生きる糧にして成長していく時期です。

経験から生き方の知恵を積み重ね記憶していく時です。

大人になる間に忘れてしまっても、

必要な時に記憶から思い出して自分を支えてくれるような知恵を

記憶にたくさん入れてあげて下さい。

正しい姿勢という人生の大黒柱をしっかり立ててあげて下さい。

その柱が生涯その子の支えになるからです。




子供の身体こそ人間らしさを十分に備えています。

その時期に正しい姿勢で呼吸をすることを自覚して行う機会があれば、

その子の持つ生体機能も心理機能も正しく作動するスイッチを入れておくことができます。

心と身体は正しい姿勢と呼吸のもとに動くからです。

正しくスイッチが入っていればたとえ誤作動しても戻るのが早いのです。

そして大きく歪むこともありません。




まぁまぁ、

どこでどう覚えたのか教えてもいないのに

教室に来ると姪っ子ちゃん姉妹は物静かにこんな真似をします。

わざとこういうヘン顔をする。


 






子供はヨーガの記憶があるのかしらと思ってしまいます。

私が叔母さんだからそうかもしれませんね(笑)。

教えてもいないのにポーズをとります。

神妙にポーズをとっているらしいです。









・・・

半眼にして固まってるフリもします。

君はまるでヨギのようだね。。。







現代の子供の無気力や無感心は呼吸にも関係していると思います。

子供は「息づいている」という感覚を心身で体験していくことが大切です。

虫を追って息を切らして捕まえた時のあの感動と躍動感!

そうした身体を使った感覚の経験が、

大人になった時の他者への共感力になり

生命に対する尊さに目覚めていく下地なのです。

自分の身体を大切にできる大人になるでしょう。









大人の私たちが深い呼吸をして身体を感じて、

自分を意識して存在していれば(生きていれば)、

子供は教えなくてもそれに気づいて自分でも行うようになります。

あなたがもしお母さんでお子さんの子育てにお悩みなら、

ヨーガ教室に一緒に連れて行ってみませんか?

そしてお連れする時は、「教室に行ったらあぁしろこうしろ」と

どうか先に言わないで下さい。

ありのままのお子さんをお連れして下さい。

教室の中ではお子さんも一人の生徒さんになります。

ヨーガの教室は心と身体を整える場所です。

それは子供にも必要なことをわかってあげて下さい。


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