自分の心を観る
思いと言葉、行動を統一させること。
これは、ヨーガ実践者の根幹となるものです。
日常的には、思いと言動がズレていることは頻繁にあります。
意志は早く起きようと思っているのに、心はそうしなかったり。
意志はすぐやろうと思ったのに、心は後回しにしてしまったり。
たくさんありますよね?
ですが、ヨーガを実践していく場合は、見ないフリをしていられません。
なぜなら、ヨーガの実習は(皆さんにとってはポーズだと思いますが)、ヨーガの本番に向けて、心のコントロールを訓練していく実践です。
自分を心の言いなりに行動させていては、心のコントロールにいざ取り組んでいく時どうにもいかなります。
よし!ヨーガを始めたから、今度は心を支配する側に逆転しよう。
そう思って取り組んでも、心はそうはさせてくれません。
ヨーガを始めるまでは、心の動きと自分を引き離して観ることがなかったため、すでに心と一体化されてしまっているからです。
心に支配されて行動していた自分を心から引き離していく始めの一歩が、自分の思いと言葉、行動を統一させることなのです。
例えば、あなたが成長を望んでいる方だとします。
ところが、グズグズしてしまう自分もいます。
成長しようとする高い志しの意識と、また今度やればいいや〜という低い意識は調和できません。
高みに上がろうとする自分が本当なのか。
やっぱりでも〜と、一歩を踏み出せない自分が本当の自分なのか?
そんな時は、一度落ち着いて、自分はいったいどちらの思い本当なんだろう?
ゆっくり見極めてみて下さい。
大切なのは、どちらを選ぶかではありません。
どちらを選んでも自分自身です。
選ぶことを始めると、人の意見や世間体を気にして選ぶ自分が出てます。
そうではありませんか?
今は、本当の自分はどちらの自分か「ねぇーどう思う?」ではなく、自分で観る練習です。
思いと言葉、行動を統一することがヨーガの生き方(これ限りではない)です。
そのために、本当の自分の思いに気づく練習から始めましょう。
人にどう思われるか?
ではなく、
あなたがどう思っているかです。
本当の自分を見極める前より先に、人目を怖れる心を自分の意識にのぼらせてしまったら、いつまでたっても本当の自分で生きることは叶わないと思いませんか?
あるいは、他人にこう思われたら?あー思われたら?
そんな想像がわいてきたら、本当にその人は私のことをそう思っているのだろうか?と、現実を見て下さい。
頭の中の考えは、いつも相手を実際のその人ではない見せ方をしたりするものです。
大切な瞬間を、あなたの頭から出てくる想像オバケに支配されないで下さい。
あなたのその想いを、実際には存在しない人目に妨げられたら、人目も他人の意見も自分の想像の中のものであることに気づいて下さい。
あるいは、過去の記憶です。
さぁ、ヨーガを実践しなさい。
あなたがポーズで遊んでいる間にも、手のつけようのない心はどんどん増大していきます。
ヨーガは、徹底的に心の動きを観る訓練を重ね、自分と心を同一視していた誤認を解体していきます。
ヨーガスートラにも説かれているように、ヨーガは残存印象(記憶)を浄化していく実践です。
誤って入っている情報や先入観、固定観念があれば、正しい理解へと変えていきます。
そのために、自分の残存印象に何があるか知る必要があります。
瞑想をしていくことで、潜伏していた想念や残存印象が表面意識に浮かび上がってきます。
ヨーガスートラで心の働きを学び、真理を学んで浄化の時期に備えて下さい。
客観的に観るヨーガの訓練は、瞑想の時間の中で行っていきます。
自分を客観視できるようになるには、訓練が必要です。
私たちは、心から自由にならなければなりません。
心のマスターになれ!
多くの偉大な聖者が世に残していかれた言葉です。