真摯に求めること、ここがスタート地点




「抗わず誠実に今ある道から始めなさい」



現代は、進化が加速した時代と言われています。

さとりも覚醒も今生で成就できるといった情報もあるようです。

しかしそれは、霊的進化の過程を本質的に誤解していることになります。




意識の拡大、魂の目覚めといわれるものは、セミナーやワークショップなどの体験や感動、興奮によって起こるものではないからです。 

その時は、新しい世界に触れるために自分が変わっていくような錯覚に陥ります。

ですが、セミナーが終わって日常に戻れば、感情的興奮の暗示は解けます。

想像で体験することと、魂をゆさぶる体験は全く質が異なることに気づかなければなりません。


この違いがわからないと、その場の感情的な高揚感から、スピリチュアルな体験をしたと錯覚してしまうことになります。




地上の人間は、一生を通して魂を進化させていきます。

打撃によりエゴが崩壊され、少しずつ魂の知性があらわれ進化を成し遂げていくのです。 

魂の成長は、霊的な生き方を日常で実践する意志と努力、それにまつわる困難とその克服、誠実さと引き換えに実現されていきます。



ヨーガ(瞑想)を始めて頂くとおわかりになりますが、あなたの隣には低次のままの心が常にいることになります。

変わりたい心と変わりたくない心、向上心と諦めようとする心、意識の向上と停滞を行ったり来たりします。

このような葛藤を、幾度となく味わっていかなければなりません。

光へ向かっているはずが闇を見る。

この矛盾したプロセスこそが、進化にまつわる体験なのです。

真理をたずさえて歩んで下さい。





現代は情報が氾濫しているため、独自でヨーガ(瞑想)を「自分でやってます」という方々が大勢いらっしゃいます。

独断や自己流が勧められず、むしろ危険であると言われている理由は、進化にまつわる苦しみへの手立てと智慧が一般的にはないからです。

その手立てと智慧を、段階に応じて授けてくれる導師の存在が必要です。

頭の理解を超えたヨーガ(瞑想)のプロセスを、本で読み理解したつもりになった程度で取り組むことはできません。

ここに書いてきたことが理解できないとしたら、瞑想やヨーガをやっていたというそれは、やったつもりになっていたことが一目瞭然です。

※ヨーガスートラをお読み下されば解ります。

なぜなら、ヨーガ、瞑想は心の科学です。

法則の通りに実践していれば、前述のプロセスは幾度となく体験されるからです。

そして、あれはイヤこれはダメの心の激しさに悩まされなくなり、落ち着いているはずでしょう。



魂の道とは、道なき道を歩むことです。

その道を歩み出せる条件は、あなたのそれに対する誠実さです。

ヨーガをやっていると言いながら、人にどう思われるか?と気にしながら学んでいませんか?

このように心が分裂した状態でヨーガを実践しても、調和どころかバラバラ人間になっていくだけです。

ヨーガを実践する動機と心の状態を、きちんと統一させましょう。

そのために、あなたの思いと言葉、行動を同じにして下さい。

今あるその苦しさを和らげる手立てとなります。



誠実さあるところ、魂の輝きを妨げる壁を砕く智慧が必ず降りてきます。

あなたは必要な時に、智慧に出会える人にならなければなりません。

自分を低次元のあらゆるものから守るためです。

ですから、ヤマとニヤマが初めにあるのです。

ヨーガ(瞑想)の進化のプロセスの体系は、まず先に誠実さを養うことから始めさせています。

苦しい時の救いになるものだからです。

それなくして、ヨーガの道を歩ませる導師はまずいないでしょう。



ヨーガ(瞑想)初心者は、この第一関門で脱落していく方が大勢います。

あれはイヤだ、これはやりたくない。

この低次の心は、スキがあるとすぐに出てきて囁いてきます。

この心に負けてしまうと、ヤマとニヤマよりもアーサナに脱線してしまい、内面の開発にまで及びません。

ここを通過しなければ、ヨーガの実践は始まっていかないことを現代人はよくおぼえておかなければなりません。

なぜなら、この物質社会の日本には、ヨーガのグルが存在しないに等しいからです。

ですから、あなた自身をまず、物質意識から霊性の意識に変換していかなければならないのです。

物質世界で生きながらにして内面は霊性を保つことができれば、日本にいようがどこにいようが、物質エネルギーに左右されることはなくなります。

ヨーガの実践で、あなたの内面に眠っている霊性を開発して下さい。

ただし、「自分のため」といった利己的な動機のところには、ヨーガ(瞑想)の道は開かれないことも言及しておきます。

世俗には、悪戯に「自分のため」が多すぎるからです。

この意味を履き違えないように、気をつけて下さい。




誠実さあるところにこそ道が拓けます。

自分の低い心のささやきによって、後戻りさせられることになりませんように。

お導きある方へと進んで下さいますようにお祈りいたします。




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