道なき道のヨーガの歩み方






大切なことは、ヨーガの達成(現代はポーズが達成でしょうか?)そのものよりも、それに向けて実践し努力していく過程での体験によって、人間性がどう形成されていくかです。



来る日もポーズの練習に明け暮れ、過度な肉体修行の末、肉体ばかり発達して霊性がともなっていなかったということになりかねません。


これは、古代のハタヨーギにみられた脱線の一例です。



人間は、魂をたずさえている肉体ではなく、肉体を持った魂です。


ですから、肉体の原動力となっている魂を発現させることを動機としてヨーガにお取り組み下さい。



ヨーガを活用して霊核を高めていくためには、肉体と精神、魂の三つを同時に高めていくように実践します。


このバランスを常に見極めて下さい。



たとえば、テクニック的な行法が多すぎる場合、物質的意識が優位になっていきます。



では、知識を学べばよいのでしょうか?



生命の実相を得心するためには、はじめは知的理解が必要になります。



ですが、人は知識だけで悟ることもできません。



難易度の高いポーズに快感をおぼえていくように、知識もより複雑なものでなければ、満足できないようになっていく傾向があります。



ポーズも知識も大切です。



ですが、いずれにも固執せず、バランスよく取り組んでいくセンスが必要です。



また、ヨーガの実習に継続は欠かせませんが、それがないといられないという心境にならないように、冷静さが必要です。



強い刺激を伴うポーズをやり過ぎると、やらないと気持ちが落ち着かないなど中毒性になる可能性があります。



ですから、ポーズの出来た出来ないに一喜一憂しない。



ポーズは、霊性を高める道には健康であることが条件というだけの理由です。


ヨーガで冷え対策や若返りなど、女性の心を魅了する言葉がありますが、ヨーガは女性の機嫌をとるためのものではありません。


なぜ大衆は、そのような安売りの言葉に気を引かれてしまうのでしょう?



ヨーガがあなたにもたらすものは、肉体を超えた意識です。



どんなに肉体を発達させても、死後の世界までそれを背負っていくことはできないのです。



誰もが潔く脱ぎ捨てていかなければなりませんね。



ですから、肉体を脱ぎ捨てた後もたずさえていけるものを育てた方がよいのです。



ポーズをやらないと、悟れないということはまったくありませんが、正しい姿勢を身につけることは必要です。


なぜなら、姿勢は心の現われであるからです。



理想を実現できる芯のある、地に足の着いた姿勢を形成していきましょう。



ヨーガの実習を通してまず身につけたいことは、柔軟性のある心です。



ゆだねられる心、受け入れられる心、こだわらない心です。



真理を理解していく時に、これらの心があると理解の助けになります。



真理は、頭を使って理解していくことはできません。


その理解は、一瞬のひらめきのように起こります。


そうした内側の理解を目覚めさせるには、わからない難しいという反応を自ら起こし、理解の壁をつくらないように、心をやわらかくしておくとよいのです。



肉体修行に固執しすぎると、心の筋肉が固くなっていくのでバランスを考えて行いましょう。



心を鎮める呼吸法や瞑想を、ヨーガの実習に欠かさず取り入れて下さい。



短い地上での滞在期間を、ヨーガのポーズだけで終えてしまわないように、さらに上があることを見据えて取り組んでいかれますようにお祈りいたします。



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