ヨーガに対する誤解
誤認は迷いを生み出します。
ヨーガで運動不足解消。これは、ヨーガの本質から大きくかけ離れた認識です。
その中で、ヨーガの深遠な面を垣間見ると、怪しさや不安の反応を示す方が少なくありません。
これは、正しい知識をそなえていないために起こる、無知な状態がもたらす自然な人間的反応です。
今回は、ヨーガに対する誤認、スピリチュアルという成長の道がもたらす迷いについて講義しました。
「ヨーガを学んでいますか?」
「はい。ホットヨガやってます」
こうした的外れな返答が、堂々と会話として認められる情報社会です。
ヨーガはポーズをすることと固定観念になってしまった方が大勢います。この偏見が生み出す障害は、一向にヨーガの全体像が目に入らないまま、ポーズだけに明け暮れてしまうことです。
ポーズの他にも、ヨーガの行法には呼吸法、マントラ、ムドラーなどがあります。
これらはプラクティカルなことです。プラクティカルなことのみ、ヨーガとして励むことは、肉体苦行にもなりかねません。
その結果、のめり込む精神状態に陥っている方もまた少なくないのです。
のめり込む、いわゆる中毒です。
過度な肉体運動には、ある一定の境地を超えると、脳内ホルモンの発生により、苦痛が快楽に変換される特色があります。
この状態は、激しい苦行の中でも発生します。
残業を繰り返し、必要以上に働きすぎる精神状態も、中毒症状の一種と考えられないでしょうか。
一頃流行ったエアロビクスが、まさにこの中毒性を生み出すものでした。
激しい運動量のエアロビクスは、呼吸も心拍数も限界寸前で行います。
苦しいはずが、ある一定の境地を超えると、ハイテンションの波が心身に訪れてくるのです。
このハイな心身状態は、中毒性をそなえています。この状態を求めて、エアロビクスが止められない方が続出し、大人気のエクササイズとして君臨しました。
現代の激しいヨーガがもたらす精神状態に、エアロビクスのハイ状態と近いものを感じさせられる時があります。
のめり込む様になってしまうからです。
この状態を、瞑想している、集中力がついたと勘違いされている方が多いことも事実です。
ヨーガは、肉体に執着する物質的意識を、霊的意識に傾けていくものです。
それが、逆の効果をもたらす結果を招いてしまっています。
自己顕示欲が強まり、本来なら集中力が身につくはずが、固執という心になってしまうのです。
身に覚えがありましたら、これまでのヨーガのやり方を一度見直してみて下さい。
これまでの価値観や、やってきたことを変えることに抵抗を感じる経験もまたヨーガの道です。
成長の段階に合わせ、持ち続けた知識や価値観、やり方は変わっていくものです。
抗わず受け入れる。
霊的に成長させてくれる確かな修行です。